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プノンペン東部ニューエリア各地で増えつづける新興住宅地。プノンペン中心地とは違う、それら住宅地の建設目的と購入する人たちとは?

  • 執筆者の写真: kawakami
    kawakami
  • 2019年6月18日
  • 読了時間: 4分
1.カンボジアの経済成長で上がる生活レベル

カンボジアでは、いま急激な経済成長と観光客の増加で賃金の上昇がおこっています。


労働者の賃金が上昇することによって、生活に余裕ができてきます。


余裕ができることで労働者たちは



・新しい洋服やくつ、カバンを購入したり


・液晶テレビやクーラーを購入したり


・バイクや車をローンで購入したり


・もっと広くて新しい家に引っ越したり



いろいろなモノにお金をつかうようになります。


つまり

衣食住や贅沢品への消費が増えていくということです。


こういった国民の消費行動が増えることが、カンボジアの物価上昇へと繋がります。



2.最低月収の底上げと、そこにかかる生活コストの増加

賃金が上昇することで、労働者たちは新しく家を購入したり、賃貸するなど需要が増えます。


とくにプノンペン中心地などへの人気が集中することで、不動産需要に対する供給がおいつかなくなり、この供給の追いつかない人気エリアの不動産は、購入価格や賃料が増加していきます。


これはカンボジア国民だけが影響をあたえているのではなく、外国人旅行客がカンボジアへ観光に来てお金をたくさん使ってくれたり、外国人投資家が不動産を買ったり、転売したりするのも大きな影響があります。


じっさいに住宅価格の高騰から、中低所得者のひとたちが新築住宅を購入するのが困難になってます。


労働者にとって賃金が上昇するのは嬉しいことですが、そういった賃料の増加で困る人たちがいます。


それが縫製・製靴工場で働く人たちです。


そこで働く労働者たちというのは、地元の人はもちろんですが、地方から都市部への移住者が多いです。


じつはその移住者が多いというのも住宅需要につながり、結果として賃料の値上げの原因のひとつになってます。


工場での労働者たちは、カンボジアの最低月給といわれる約182ドルのお給料をもらい、そして月額50ドルほどの賃貸アパートに住んで生活していますが、生活環境は決して良いといえるようなところではないようです。


そのような場所でも、その賃貸アパートが高くなってしまった場合は、そこから出ていかなければなりません。


いままでと同じ賃料で住むとしたら、いまよりも狭い部屋であったり、環境が悪い場所であったり、もっと離れた場所の住居を選ばなければなりませんが、

それでは工場勤務や生活に差し支える場合もあります。


カンボジアで縫製工場や製靴工場に勤務している労働者は70万人といわれていますが、政府のデータによると2015年から2030年までのあいだに、新築住宅の需要は110万戸が予測されています。


プノンペンだけでいうと約80万戸の需要です。


労働者全員がいますぐに困るわけではありませんが、たとえば1割の人々が困っているとしたら7万人もの労働者のための住居が必要になっていると予測されます。


国連の発表では、約980万人のカンボジア国民がまともな住宅を持つことができていないという調査もでています。



そこで動き出したのがカンボジア政府です。



カンボジア政府がデベロッパーと組むことで、あたらしい住宅地の建設を計画しています。

その計画は、中低所得者の生活を改善させるための安くて手頃な住宅を提供するというものです。


この住宅地を建設したデベロッパーには、政府より所得税、固定資産税、付加価値税の優遇を受けられるというものです。


政府が求める住宅建設基準は



・価格帯:180万円~350万円の戸建てを、住宅地に最低でも100戸建設する

・プノンペン中心地より20km以内の距離でなければならない。

・緑地の豊富な住宅地設計をする。

・金融機関と協力して低金利の住宅ローンを用意する。



建設許可をとるのに、なかなかハードルが高そうな感じがしますね。




3.進むプノンペン東部ニューエリアの住宅開発

すでに一部のデベロッパーはプノンペン東部ニューエリアなどで、いままでの賃料とおなじぐらいの金額(約50ドル)を毎月支払うことで住宅を手に入れることができるという住宅を建設し、販売もしています。


プノンペン東部ニューエリアには大きな工場地帯がありますので、すでに労働者用の住宅地が建設中なのです。


候補9号地の周りでも、中~低所得者向けのニュータウン建設と販売がスタートしています。


毎月のようにカンボジア不動産ツアーへ行くたびに進捗状況や、新しい住宅開発地などが確認できています。



こういった住宅開発が候補9号地の周りで活発におこなわれているため

候補9号地の地価は安定的に上昇し続けています。


現時点で、カンボジア政府の住宅地計画というのはパートナーとなるデベロッパーが2社しか決まっていません。


もしこのプロジェクトが本格的に動き出したら、カンボジア各地にある経済特区周辺で労働者用住宅(ニュータウン)の大規模開発があちこちで見られるかもしれませんね。




 
 
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